「ひのみさき」の和歌

経が島 たんぽぽの穂が 一つづつ
 綿ちらすごと 出でゆく鴎

      与謝野 晶子

浜原に ひろげ乾したる うみぐさの
 和布は青し 乾けるまヽに

      松村 英一

風あらき 島にむらがる 海猫の
 おほよそにして 白く光れる

      佐藤 佐太郎

ひとり身の 旅路の末に 見えきたる
 石見よ遠し 雲に入る鳥

      太田 水穂

「出雲大社」「ひのみさき」の俳句

霞む日や 神の使の 鳩雀

節分の 高張立ぬ 大鳥居

花烏賊の 腹ぬくためや 女の手

磐石を ぬく燈台や 夏近し

涼しさに 堪へて人あり 磯しぶき

春雷や 杵築の人の 気のたかき

磯鷲は かならず巌に とまりけり

お国忌の けふの衣紋は たれだれぞ